STEINER VCFの製作

とりあえずVCFのセクションを強化していこう、ということで、まずはSTEINERフィルターを製作してみました。
STEINERフィルターは、DIYシンセ界隈ではけっこうメジャーな製作物でして(オリジナルのSTEINERシンセサイザーは幻ですが)、日本でもtakedaさんのページ(http://www.aleph.co.jp/~takeda/radio/steinerVcf.html)やRJBさんのページ(http://homepage2.nifty.com/rjb/diy_synthe11.htm)で記事を読むことができます。
音のほうは「これぞシンセサイザー」と声を上げてしまうような電気臭い音で、しかも音も太く、さらにはパーツ数が少ない上にLPFとHPF、BPF、APFにまでなってしまうというオイシイところだらけの回路です。実は僕、以前はあまりこのフィルターに興味がなかったのですが、先日のアナログシンセビルダーズサミットにてtakedaさんやRJBさんが持ってきたものの音を聴いて、ブッ飛んでしまったのです。これはもう作るしかないと。
さて、回路の詳しい説明や歴史などは他のページにお任せするとして(汗)、今回はここ(http://yusynth.net/)のModular Projectのコーナーにあります回路(http://yusynth.net/Modular/EN/STEINERVCF/index.html)をそのまま作ってみました。2SC1583 + TL071 basedバージョンです。これは、元々あった回路にRJBさんの改造案などを反映させた最新のものっぽいです。製作自体は、僕にもなんとか名詞サイズの蛇の目基板一枚に収められる程度の規模ですのでさほど大変ではないと思います。トランジスタはデュアルを使ったりはせずに、同ロットの2SC1815を選別もせずにエイヤっと2本取り付けました。特殊な部品は全く使わないので、恐ろしく低コストです。
 さて、音のほうですが、いやぁ、素晴らしい。思わず「バンザーイ」と叫びたくなるような過激な音がします。発振させた変態サウンドも得意なのですが、その金属っぽい響きを活かして、レゾナンスは押さえ気味でブラス系のサウンドに使うのもアリだと思います。今回製作したバージョンだと、レゾナンスの範囲が広すぎる(しかしこれが広いことによって変体サウンドが得られるわけで、これはアリ)のと、やはり発振音のスケールが合わない(この定数だとオクターブが開きすぎるみたい。これはCVインプットにつけたボリュームで調整することにより、なんとか解決)ようですが、まぁ工夫すればなんとかなる範囲ですし各自が操作しやすいツマミの操作感を追求してカスタマイズすれば良いのではないでしょうか。

そんなこんなで、サンプルサウンドを。
楽しくていっぱい作っちゃった!!


http://www.chienowa.org/ca3080/20051217a.mp3
ミョンミョンしたサウンドシンセサイザーでナンパしたかったらこれしかない。いい感じで基音とレゾナンス音が混じりますなー。


http://www.chienowa.org/ca3080/20051217b.mp3
EGでフィルターをスイープさせたサウンド。綺麗にスイープしてます。思わずこんなフレーズを弾きたくなるよネ!


http://www.chienowa.org/ca3080/20051217c.mp3
がんばってレゾナンスのスケールを合わせてみました。高いほうの音でだんだんズレていくのがわかります。もうちょっと慎重にあわせれば2オクターブくらいはなんとなくイケるんじゃないかと。


http://www.chienowa.org/ca3080/20051217d.mp3
バンドパスフィルター。き、気持ちいい! バンドパスだとレゾナンスを上げたときのカットオフ部分の強調が目立つので、いかにも変態フィルターみたいな音が出て楽しいです。


http://www.chienowa.org/ca3080/20051217e.mp3
バンドパスでスイープさせた例。バンドパスは癖になるなぁー。


http://www.chienowa.org/ca3080/20051217f.mp3
多重録音による和音の実験をしているうちに楽しくなって沢山音をかさねちゃった例。「バンザーイ」と言わずして何と言えばいいのか。しかしこうやって曲にしてみると、意外に明るいキャラクターのフィルターなんだなー。アメリカンというか、悩みがなさそうな感じw


全体として、肉食ってそうな感じというか、フェロモンムンムンの音ですね。