VCO実験その2

ca30802005-07-20

実は昨日の実験のVCOは、「果たしてトランジスタのマッチングと温度補償抵抗だけで完全に安定するのだろうか?」と疑問を感じるくらい不安定だった。1オクターブなんとなく音階が出るだけで、とてもその他の範囲は使えたものじゃない。で、takedaさんの書き込みを読んだら「パスコントランジスタをもうひとつ・3端子レギュレータ」などの超気になるキーワードがあったのでさっそく更に実験してみることにした。
組み立てたのはtakedaさんのページにある「Dual TB VCO」の回路図(http://www.aleph.co.jp/~takeda/radio/harvest/img/schem/DualTBVCO3a-schem.gif)を参考に、VCOひとつぶんからシンク関係の回路を抜いたもの。takedaさんありがとうございます。なるほどこれはARPのアンチログ回路にディスクリートの発振回路が合体したものである。名前からするとTB-303のVCO部分を基本にしているのだろうか? VCOの回路としてはこの上なくシンプルなもののひとつだと思う。昨日の僕の日記の回路図(http://www.chienowa.org/ca3080/0719-002.gif)と大きく違うのはやはり「パスコントランジスタをもうひとつ・3端子レギュレータ」の部分であろう。トランジスタをもうひとつ、という部分に関しては回路を追ってもなにやらサッパリわからないのでそういうものだ、と割り切ることにする。レギュレータ部分は、昨日の回路図の発振器部分で、1kの抵抗を二つ使って分圧していた部分をレギュレータ使用により安定させている感じ。パスコンに関してはそのまんま、電源からの電圧をキレイにする役目である。つまり、基本的にはアンチログ以降の、発振器を安定させる役割りのものがほとんどである。まぁつべこべ言わず早速組み立ててみる。
結論から言うと、かなり安定した。4オクターブくらいはなんとなくイケる。パスコントランジスタ・レギュレータの効用については後述するが、音程が合わなかった一番の原因としては、発信用のコンデンサとアンチログ直後の抵抗値があまりに適当だった部分が大きいようだ。このコンデンサと抵抗値により発振音の音程が決定されるのだが、この部分の抵抗は高音調整用に半固定抵抗を使うくらい音階に対して重要な部分なのだ。昨日の実験ではこの抵抗とコンデンサの値があまりにテキトーだったため、チューニングを合わせようと思った場所から離れれば離れるほどオンチになってしまっていた臭い。
パスコントランジスタ・レギュレータについては効果大としか言いようが無い。とにかく音がスーっとまっすぐ出てくるようになる。音程のこまかなフラつきがなくなり、非常に安心して聴ける発振音になる。特にレギュレータの効果は大で、あからさまに音のフラつきがなくなり一本筋の通った音になるばかりか、音質そのものも非常にズ太くカッコ良いものになった。やっぱりインピーダンスが下がったのが原因なのかな。試しに抵抗による分圧に変えてみると、ヒョロヒョロ〜と何かモジュレーションでもかかっているかのように不安定になる。
温度補償抵抗がないと確かに温度変化で全体のチューンがずれていくが、しばらく電源を入れっぱなしにしておけばそれなりの温度で安定するようで、トランジスタ付近に手を近づけたりしなければ問題ないようだ。安定したかな? と思えた時点でチューニングしてあげれば、実験上はさほど問題ない。あとはなるべくトランジスタをマッチングさせることでアンチログの特性をより良くする、という方向か。
いずれにせよ大体僕の1stVCOの方向性は大体決まったようである。あとは自分で調整しやすいように定数を微調整して、波形変換部分を作ってあげればよさそうだ。波形変換部分はギターのエフェクター感覚で理解出来るのでそうは悩まないはず。ええと、やるべきことは・・・・トランジスタのマッチングと温度補償抵抗だな。昨日と変わってないや。(笑)
とりあえず蛇の目基板に組んでいくとして、その後どうしようか悩む。いきなりラックに組み込んでいこうか、それとも基本部分だけ一通り実験がてら組み立てて、小さなシステムとしてまとめてしまうか。実験しながら完成に近づいていくという点ではラックに組み上げていくのがいいんだろうけど、ラックの規格を考えたり、実際に作ったりすることを考えると頭が痛くなる・・・・

一応音階がなんとなく出た記念にMP3をアップします。全体のチューンなどはしていないし、チューナーも使わずなんとなく合わせただけなので改めて聴いてみるとけっこうオンチですが・・・。実験中は「やった!」とか思ったんだけどなぁ。後半低音に変なモジュレーションがかかっちゃってるのは、MP3圧縮したときにできたものかな?? こんなの鳴ってなかったんだけど。でもこれに全体のチューンとハイチューンをつけて調整すればなんとかなりそうな雰囲気。あくまで雰囲気。

http://www.chienowa.org/ca3080/0720.mp3

破損パーツメモ :
トランジスタ*3
FET*1
可変抵抗がひとつ火を噴いた